2拠点生活でセカンドライフを楽しく生き抜く

50代で早期退職し、東京と長野で2拠点生活をしています。

お金の匂いがしないという言葉が嫌いだ。

会社で働いていた時は調査や分析の仕事をしていた。

事業環境を調査し、技術の動向やマクロ経済の将来展望などをレポートにまとめてそこから得られる示唆、事業機会とリスク、取るべき対応を提言して社内に発表したり、説明に回ったりしていた。

反応が良かった時、冷淡だった時、それぞれだが、これらの反応を受けてまた新しいテーマで調査を企画し、資料を作成するサイクルを回していた。

調査資料に対する反応で言われて嫌な気分になるのが、「お金の匂いがしない」という言葉だった。

あるテーマについて調査、分析し、事業機会を示唆していても、「お金の匂いがしない」の一言で終わらせてしまうセンスに絶望を感じたものだ。

「お金の匂いがしない」と言う本人が何か収益性の高い新事業を立ち上げたという実績はないのに、ただ新しいことを考えるのが面倒でそのような言葉を言っていたのではないかと疑ってしまう。

この言葉を何人もの人物から聞いた。

下卑た響きを持つ言葉は人のやる気を削ぐので、ビジネスの場で使うことは避けた方が良いと考える。

磐石だったはずのビジネスモデルが技術や社会環境の変化を受けて揺らぎ、稼げる新規事業を開発することが当時は大きな課題だったが、新しいことに挑戦することもせずに結局その後も新規事業を立ち上げることなく萎んでいった会社の体質を象徴する言葉だと今は思う。

会社が傾いて早期退職の話が出た時に応じたのは、会社のこのような体質に失望を感じていたということも理由である。

AIやどこでも仕事をできる環境の提供など、今では普通になっていることを新規事業として提案していたのだが、これを受けて当時の会社が何らかの形で取り組んでくれていたらもっと違う社会人人生を歩んでいたのかもしれないと思わないこともない。

そもそも日本企業全体が経済の長期低迷下でチャレンジする活力を失い、面白そうなことがあっても収益化できそうもないと早々に諦めてしまう風潮が強く、自分がいた会社もその中の一つに過ぎなかったのかもしれない。

いずれにしても、「お金の匂いがしない」という言葉は今思い出しても嫌な気分になる。