ただアーリーリタイアメントしたいだけでは流される
かつてアーリーリタイアメントを考えるようになってから、とにかく目先の仕事をやめてゆったりと暮らしたいということに気持ちが向いていた。
しかし、2年前に会社を早期退職した時には、旅行したり、入院したり、そのほかあれこれバタバタしているうちに、失業給付をもらうために行っていた求職活動で思いがけず仕事が決まってしまい、夢の悠々自適の生活が突然終わってしまった。
漠然としたイメージだけでアーリーリタイアメント生活に入ると、気力と体力があるだけに、自由を持て余してしまう。手当たり次第に闇雲に動き回るが、なにかやりたいことを明確に持っていなかったがために、目先に具体的な仕事というものが提示されると思わず流されてしまった。
2拠点生活で何をやりたいのか考える
今は2拠点生活という明確にやりたいことがある。そのための準備も進めている。しかし、何のために2拠点生活をするのか、新しい拠点では何をして時間を過ごすのか、考えておかないとまた失敗しそうな気がする。
忙しい生活は嫌だ、お金のためにあくせくするのも嫌だ、自分の好きなことをしながら緩やかに社会とのつながっていたい。社会にぶら下がるのではなく、何かを生み出して社会の役に立ちたい。この状況で読んだのが同書である。
スキルがなくても小商いを始める。好きなことが大切
長年オフィスワークばかりで社会的に役に立つようなスキルを持たなかった自分が、何かを自分で商うというのはとてもハードルが高く思える。
同書ではそのようなハードルを易々と飛び越えて小商いに踏み出している人たちが紹介されている。小商いを始めるまでのいきさつ、準備段階で行ったことや開業資金などが記されている。
面白かったのは、この本で書かれている人たちが、必ずしも最初からその仕事のためのスキルを持っていたわけではないということ。しかし、巡り合わせなどで、結局は自分がしたいことをやっている。自分から見たら羨ましい人たちだ。
本業があれば始めやすい。副業が普通の社会に
また、同書のなかで紹介されている仕事だけで食べていけている人は一部である。多くの小商いは、本業とは別に副業的に行われていたりする。昔は副業が当たり前だった、と本書で触れられている通り、本業の収入があれば一歩踏み出すにあたっての心理的なハードルは低い。
本業において個人は多くの場合、組織の一部として顔が見えない存在である。自分が立ち上げた小商いならば、自分の人格で社会と向き合える。多様性が大切にされる社会では、無理なく始められる小商いというものが見直される気がする。
紹介されたケースの大半が今も続いている
同書は2014年出版で、取材時から割と時間が経っている。読み終わった後に、この本で紹介されていた人たちが今どうしているのか、文中で紹介されていたそれぞれのサイトをチェックしてみた。紹介された14ケースのうち、現在の状況が追えなくなっているのは2つ、事業を他人に譲渡し、会社勤めを始めたのが1つであった。残り11ケースは今も続いている。
自分の年齢を考えると、とりあえず10年程度何か飽きずに続けられたら良いかと思うので、地道に続いている小商いたちに改めて力づけられる思いだった。