世界と向き合うために日本人が知っておくべき現代史についてわかりやすく解説している。
戦後現代史から多くの学びが得られる
本書の現代史の範囲は第二次世界大戦後から現在まで。
日本の戦後復興の明るさと高揚感、戦後復興において米国が果たした役割、朝鮮戦争時に存在した九州の危機、英国と米国との覇権交代の過程において米国が見せた容赦のなさと敗北を受け入れた英国のしぶとさ、米国覇権によって確立した米国システムが、その内包する矛盾によって自壊する経緯、インドが中国に対して持つ根強い不信感の原因と中国の機会主義的な行動、中国というリスク、などを取り上げている。
戦後復興に際して米国が日本に示した寛大さと、米英覇権の交代時に米国が英国に示した苛烈さの対照が印象深かった。
また、キューバ危機の最中にインドに戦争を仕掛けたり、東京オリンピックの最中に最初の核実験を成功させた中国の行いは、隙を見せるとすかさず付け込んでくる国の性格を浮き彫りにしている。今後の中国との付き合い方を考える上では忘れてはならない。
覇権国の地位から降りた英国がなぜディエゴガルシア島を領有しながら米国の基地として運用させているのか、本書を読んで知ることができたのは収穫だった。
日本社会の特殊性に根差したサブカル文化
なお、世界に受け入れられている日本のサブカルが、子供を取り巻く社会的な土壌によって成り立っているために他の国とは本質的に異なると、渡辺京二氏の「逝きし世の面影」を引用しながら分析している箇所は興味深かった。
楽観論者が変革を可能にする
バブル崩壊後の低迷から抜け出せない日本ではあるが、変革することは可能であり、楽観論者が未来をつくる、というメッセージには力づけられた。もっとも、本書が出版されてすでに7年近くが経ち、いまだに改革できずにもがく日本の現在の姿をみれば、焦りも感じる。