1度目は自主廃業
かつて働いていた会社が消滅する経験をしたことがある。
長年の不景気では珍しくもない経験だろう。
それでも就職する時に世間からは破綻する可能性が低い、日本経済を支える大手企業とみられていた。
そのような会社に就職できた自分に胸を張ったものだった。
一つ目は新卒で入社した証券会社だった。
10年目の秋に自主廃業することを報道で知り、解雇予告書を渡され、その後あわただしく転職活動を行って退社した。
戦後経済史にそれなりのインパクトを与える事件を引き起こしたので、今でもその会社の名を報道で聞くことがある。
自分が子供のころに聞いて今でも印象に残っている、永大産業(なんと復活している)や安宅産業(かつて大手商社の一角を占めていた。 今では安宅コレクションに名を残している)のような存在といえようか。
その様な歴史的な存在に自分も関わりを持ち、倒産の渦中に居たのだと思うと不思議な気分になる。
解雇予告書は今も記念に取ってある。
今度は親会社に吸収、解体か
今また働いていた会社が消滅するという体験をもう一度することになりそうだ。
2018年に退職した会社は、すでに親会社に100%の資本を握られ、経営陣を送り込まれて経営の自主性を失い、自主独立で自由な社風を保つことが不可能なのは避けられない情勢だった。
この会社も上場していないものの、売上高は1兆円を超える大企業で、かつてはそれなりに先進的なイメージをもたれていた。
1月のお正月休み最後の夜の日経新聞のニュースでは、ついに社名まで変更することが報道された。
マーケットがじり貧となり、衰退産業だとか言われつつもグループの稼ぎ頭として一目置かれていただけに、この度の発表は寂しい感じがする。
そのうちグループ再編に伴って事業部に格下げとなったり、バラバラに解体されてしまうような気がする。
その前にまた大規模なリストラもあるだろう。
好条件の特別転進制度(早期退職制度)に応じておいてよかった。
もっとも、海外子会社の不正経理を長年見過ごして親会社に付け入られる隙を与えていたりと、自業自得の面もある。
いずれにしても時の流れとともに存在感が薄まっていき、自分がかつて働いていた会社の名前を知る人がいなくなることが予想される。
両社とも会社都合退職という形で離れることとなったが、我がサラリーマン人生、どうにも巡り合わせが悪かった気がする。
流石に3度目の可能性はないと思うが。
一方、アーリーリタイアメントを目指して資産形成に励み、働かなくても生きていけるだけの体制を整えることができたことは幸いである。